TopoBuilderサポートページ

このページでは、日本域表面流向マップの切り抜きツール(アプリ)であるTopoBuilderの使用にあたってのサポートを行います。

1. TopoBuilderの機能

TopoBuilderを用いると日本域表面流向マップをGUIを用いて河川流域の領域を切り抜くことができます。マウスポインタで地図上の一点を指定してやると、その点を下流端とした集水域で日本域表面流向マップを切り抜くことができます。下流端は緯度経度を数値で入力して指定することもできます。切り抜かれた領域は、地図上で示されるとともに、データはASCII-Grid形式で保存されます。

 

2. 使い方

2.1 起動

2.1.1 インストーラー版の起動方法

デスクトップ上のTopoBuilderのアイコンをダブルクリックします。または、スタートメニューからTopoBuilderを検索して、起動します。

2.1.2 実行形式版の起動方法

TopoBuilderのインストール・ディレクトリの中にある「topoBuilder.exe」をダブルクリックします。

 

2.2 GeoTIFFファイルの切り抜き

2.2.1 集水域下流端の指定

切り抜きたい集水域の下流端を指定します。下流端の指定は、地図上でコントロール・キーを押しながらマウスのポインターを指定する点に置いてマウスでクリックします。座標が指定されるとその位置に青い点が表示されるとともに、ウィンドウ下端の座標表示欄「Latitude、Longitude」にそれぞれ緯度、経度の数値が表示されます。座標表示欄「Latitude、Longitude」に直接数値を入力することもできます。

2.2 2 切り抜き処理の実行

下流点を指定したらウィンドウ下端の「Crop」ボタンをクリックするとGeoTIFFファイルの切り抜き処理が始まり、処理結果はDIR(流向)ファイル、ACC(上流グリッド数)ファイル、DEM(標高)ファイル、RIV(河道)ファイルに保存されます。切り抜きが完了したら、地図上に切り出された範囲のDIRファイルが表示されます。
切り抜いたASCII-Gridファイルは、 「Configure」ダイアログで指定したパスに保存されます。

2.2.3 河道範囲の指定

ACCファイルの指定したACC値以上のグリッドを河道と見なします。指定するACC値の数が大きくなるほど河道範囲が狭くなります。ウィンドウ左下のACC入力欄に自然数を入力し、「Exe」ボタンをクリックすると切り抜き処理が始まり、処理結果はRIV(河道)ファイルに保存されます。

 

2.3 切り抜かれたASCII-Gridファイルの地図上での表示

切り抜いた後のASCII-Gridファイルは、ウィンドウ右下の「Show」ボタンをクリックすると、クッリクするごとにDIR(流向)ファイル、ACC(上流グリッド数)ファイル、DEM(標高)ファイル、RIV(河道)ファイルの順に表示されます。表示されているファイルのパスが「Show」ボタンの下に表示されます。

 

2.4 切り出したASCII-Gridファイルの確認

このアプリでは、DIR(流向)、ACC(上流グリッド数)、DEM(標高)のGeoTIFFファイルから指定した緯度経度を下流端とする集水域のDIR(流向)、ACC(上流グリッド数)、DEM(標高)およびRIV(河道)のデータを「Configure」メニューで指定したファイルに4つのASCII-Gridファイルに書き出すことができます。

それらのファイルの他に、書き出したDIRファイルと同一のディレクトリにASCII-Gridファイルの切り出し仕様を記録した「config.txt」ファイルが保存されます。

config.txtファイルの内容は下記のとおりです。

ACC_NO: 河道領域の閾値のACC数
Lower End Point: Latitude: 切り出した集水域下流端の緯度
Lower End Point: Longitude: 切り出した集水域下流端の経度
Lower End Point: NX: 切り出した集水域下流端の北端グリッドを1としたときの南北方向グリッド位置
Lower End Point: NY: 切り出した集水域下流端の西端グリッドを1としたときの東西方向グリッド位置

 

2.5 ASCII-Gridファイルの保存先の確認と指定

ウィンドウ右下の「Configure」ボタンをクリックして、ダイアログを表示します。そのダイアログから切り出したASCII-Gridファイルの保存先を指定します。ASCII-Gridファイルの保存先の指定するダイアログは、ファイル・メニューから呼び出すこともできます。
デフォルトでは、C:\Users\ユーザー名\Documents\TopoBuilderに保存されます。

 

3.インストール方法

TopoBuilderのインストールでは、アプリ本体のインストールを行った後、GeoTIFFのデータファイルを所定のディレクトリにコピーします。

3.1 アプリのインストール

TopoBuilderには、インストーラー版と実行形式版の2つのバーションがあります。どちらもWindows用です。

3.1.1 インストーラー版アプリのインストール

インストーラー版は、ダウンロードしたsetup.exeファイルをダブルクリックしてやると、インストールできます。インストール先は、ダイアログから変更することができますが、Prgram FilesフォルダやProgram Files(x86)フォルダを指定するとアクセス権限の関係で、アプリが上手く動きません。デフォルトの設定でよければ、そのまま「Next」ボタンをクリックして、インストールを完了させます。

3.1.2 実行形式版アプリのインストール

実行形式版のTopoBuilder0.8.zipを圧縮・解凍アプリ(7-Zip等)で解凍します。解凍したファイルをフォルダごとコンピューターのハードディスクの任意の場所にコピーします(ただし、Prgram FilesフォルダやProgram Files(x86)フォルダにコピーするとアクセス権限の関係で、アプリが上手く動きません。他の場所にコピーしてください。)。アプリのインストール作業は以上で完了です。

 

3.2 GeoTIFFデータファイルのコピー

まず、日本域表面流向マップ(http://hydro.iis.u-tokyo.ac.jp/~yamadai/JapanDir/index.html)のサイトに行き、表面流向、水文補正標高、上流集水ピクセル数のデータをダウンロードします。それらのデータを解凍するとdir、elv、upgという3つのディレクトリができますので、それらのデータを下記のディレクトリの同一名のサブディレクトリにコピーします。

TopoBuilderインストールディレクトリ\resources\app\TopoBuilder\J_FlwDir
ちなみに、デフォルトのTopoBuilderのインストール・ディレクトリは、C:\Hydrocirculate\TopoBuilderです。

 

4. ダウンロード

TopoBuilderアプリは下記のボタンからダウンロードすることができます。下記のライセンスを確認・了解の上、ダウンロードをお願いします。

4.1 インストーラー版

4.2 実行形式版

5. ライセンス

TopoBuilderはMITライセンスの下で使用することができます。
TopoBuilderは、以下のデータおよびソフトウェアを用いて開発しています。TopoBuilderの利用に当たっては、それぞれのデータおよびソフトウェアのライセンスについても従うものとします。

日本域表面流向マップ
Node.js
Electron
Inno Setup
Leaflet
OpenJDK
GeoTools
Launch4j

 

6. 開発経緯

2022年10月7日 TopoBuilder Version 0.8 Windows版リリース

 

7. その他

もともとこのアプリは、RRIモデルの入力データを作成するために作ったものです。このアプリTopoBuilderの日本域表面流向マップの切り出し機能部分(CUIインターフェース)については、2019年ごろ開発したものであり、このアプリはその機能にGUIを付加したものです。CUI版開発当時はまだ日本域表面流向マップに河道幅やHANDのデータが整備されていなかったと記憶しています。そのため、それらのデータを切り出す機能は実装されていません。要望があれば開発いたします。

また、このアプリはGeoTIFFファイル切り出し部分についてはJavaで、GUI部分についてはElectronを用いて開発していますので、原理的にはMacやLinux上で動かすことも可能です。今後、それらのTopoBuilderのインストーラー版や実行形式版をリリースしていく予定です。

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